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QUICKが選ぶ「中長期投資にふさわしい投信」は本当にお勧めか?

QUICK資産運用研究所が「中長期投資にふさわしい投信」2019年を公表した。

公表した内容を検証してみよう。

 

QUICK資産運用研究所は2019年の「中長期投資にふさわしい投信」に5本を選んだ(図表参照)。中長期の資産形成を目指す個人が投資信託を選ぶ際の参考になるように、過去の運用成績に的を絞り恣意性を排除して評価・選定した。

年初に選定結果を公表しており、今回で3回目となる。中長期投資には自分のリスク許容度に見合った投信選びが肝心との考えから、5つのリスク階級ごとに1本ずつ選出した。

 

【選定対象投信と方法の概略】

 

※対象は決算回数が年6回以上を除く国内公募の追加型株式投資信託。2019年末時点で(1)運用実績が6年以上、(2)償還予定日までの期間が1年以上、(3)原則として残高が10億円以上の条件を満たす。ETF(上場投資信託)、確定拠出年金(DC)専用、販売停止中、販売停止予定、限定追加型、マネープール相当、ブルベア型、ラップ口座専用、ミリオン型、一般財形型などは対象外とする。

 

※リスク階級は価格変動リスクをTOPIX(東証株価指数)との相対評価で表した「QUICKファンド・リスク(QFR)」を用いる。QFRはリスクが最も小さい「1」から最大の「5*」までの6段階に階級区分しているが、ブルベア型などが含まれる「5*」は除外している。

 

※19年1月から12月までの1年間の各月末時点における5期間(過去5年・3年・1年・6カ月・3カ月)の運用効率(シャープレシオ)を使った定量評価を行う。過去12カ月間における5期間の運用効率(年率換算)の平均値を合計し、この合計値が最大となる投信をリスク階級ごと(1~5)に1本ずつ選定。

リスク階級 ファンド名 シャープレシオ リターン
1年 3年 5年 1年 3年 5年
1 東京海上roggeニッポン海外債券ファンド(為替ヘッジあり) 2.81 0.79 0.55 6.63% 1.83% 1.43%
2 野村インデックスファンド・内外7資産バランス・為替ヘッジ型 2.85 1.03 0.77 16.80% 5.77% 4.80%
3 野村Jリートファンド  1.30 1.30 0.91 27.90% 10.48% 7.83%
4 東京海上・ジャパンオーナーズ株式オープン 2.69 1.81 1.36 33.95% 30.16% 22.92%
5 UBS中国株式ファンド 1.82 1.28 0.81 44.65% 24.02% 16.08%

 

■ファンドの選別方法について

各ファンドの選別方法についてですが「非常に感銘を受けました」...とくに素晴らしいのが「資産クラスごと」の選別ではなく「リスク階級ごと」の選別である点です。

例えばひふみ投信は日本株投信といいつつ「米国株」も10%ほど組み入れており、投資信託の区分というものがあいまいになる運用をしています。そしてインデックスとしての区分自体に「恣意性」が入っており、あまり役に立たたないと思われます。そうした中「リスク区分」で分類して適切なファンドを評価しようという方向性は「客観性」を保って評価できるため非常に良い判断だと思います。今後リターンは「リスク」で区切って評価していくのが良いと思います。「上げ相場でレバレッジのかかったブルベアが一番良いファンドである」というのには同意できません。リターンとリスクを適切に評価してこそ運用です。

 

■シャープレシオについて

もう一つリターンよりシャープレシオを前面に出している点も非常に好感が持てます。シャープレシオは1リスク当たりのリターンを示しており、リスク当たりの「コスパ」を示した指標です。シャープレシオだけだと「債券ファンド」の独壇場になるため、通常は同じアセットクラスごとの比較が好ましいですが、今回は各リスク後トンビ比較している点で良い使い方をしているのではないでしょうか?

シャープレシオって何?

リスクを取って運用した結果、安全資産(リスクがゼロと仮定した資産)から得られる収益(リターン)をどの位上回ったのか、比較できるようにした指標です。ファンドの運用成績を比較する場合に広く用いられています。単にリターンを比較するのではなく、その裏にあるリスクとの見合いで運用成果を判断しようとするものです。

数字が大きいほど、

  • =「リスクの割にリターンが大きい」
  • =「効率よくリターンを上げている」
  • =「運用成績が優れている」

ことを示します。

リターンの水準が同じであれば、取ったリスクが小さいほどシャープレシオは大きくなります。
取ったリスクが同程度であれば、リターンが大きいほどシャープレシオは大きくなります。

シャープレシオの求め方

「(ファンドの平均リターン-安全資産利子率)÷標準偏差」で計算されます。

リターンのうち安全資産(リスクがゼロと仮定した資産)を上回った部分( = 超過リターン)を、リターンの変動度合い( = リスク)を示す標準偏差で割ることで、取ったリスク1に対する超過リターンの大きさが示されます。
安全資産利子率には、日本では無担保コールレート(コール・ローンの一種の利率)などを使用します。

何故ファンドの平均リターンから安全資産利子率を引くかというと、リスクを取った以上、リスクを取らないで得られるリターンよりも高いリターンを得られなければ、意味がないからです

 

■評価期間について

評価期間において5年で止めてしまっている点は少し残念です。日本には運用期間が短いファンドが多いため仕方がない点が多いですが、長期実績を出しているファンドがより評価される体系を作っていく必要があると思います。

1年→3年→5年と進むごとに数字が低下してしていることがわかります。特に昨年のように市場が上昇した環境では、短期の運用成績から長期の成績の推測には役立ちません。そういう意味では今一歩といえるでしょう。

できれば10年、20年と長期での実績を運用成績に加味したほうが良いデータを作れると思います。

 

リスク階級 ファンド名 シャープレシオ リターン
1年 3年 5年 1年 3年 5年
1 東京海上roggeニッポン海外債券ファンド(為替ヘッジあり) 2.81 0.79 0.55 6.63% 1.83% 1.43%
2 野村インデックスファンド・内外7資産バランス・為替ヘッジ型 2.85 1.03 0.77 16.80% 5.77% 4.80%
3 野村Jリートファンド  1.30 1.30 0.91 27.90% 10.48% 7.83%
4 東京海上・ジャパンオーナーズ株式オープン 2.69 1.81 1.36 33.95% 30.16% 22.92%
5 UBS中国株式ファンド 1.82 1.28 0.81 44.65% 24.02% 16.08%

 

■各ファンドについて

そのうち個別に評価を進めていきたいと思います。

ただ昔から東京海上・ジャパンオーナーズ株式オープン は評価が高く今後にも期待できるファンドだと思います。短期的にはソフトバンクのリスクが付きまといますが・・・。

東京海上roggeニッポン海外債券ファンド(為替ヘッジあり)あたりは、昨年の米長期金利の低下により高いリターンとなりましたが基本的には、超低金利下の債権では6%物リターンは期待できずせいぜい1.5%くらいちうのは良い投資判断となるのではないでしょうか?

また野村インデックスファンド・内外7資産バランス・為替ヘッジ型は為替ヘッジ型である点と、直近の株が安定的なため比較的リスクが低めになっていますが、株:債券:リートが1:1:1の投資なので実際には少しリスクは高めなのかのとも思います。リスク2の中でリターンを高いものを選んだため、ほぼリスク2とリスク3はそこまで差がないように思います。

UBS中国株式ファンド、直近ロシアが上がっているとか短期的なことを除いて真実を見るとやっぱり中国だったということでしょうか。今後は成長率の鈍化よりアセアンやインドも伸びてくるかもしれませんね。

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資産運用は「手間なし」「簡単」とはいきません。インデックス投資していればよいなどという、近年素人ブロガーを中心にアンチアクティブ投信の流れが続いていましたが、今後アンチインデックス投信の波も来るでしょう。これはロングオンリーの従来のインデックス運用やアクティブ運用は近年発達してきている「リスク管理」という概念が抜けている、旧世代的な考えを中心としているためです。資産運用の本質は「アクティブかパッシブか」というような小さな戦略の選択ではなく、株、債券リート、ヘッジファンドといった「資産配分」の選択とロングショート、レバレッジを含めた「大きな戦略」の選択です。このサイトでは儲かるために必要な情報を厳選してお届けします。ほかのサイトでは説明していないような株、債券、投資信託、ポートフォリオ、ヘッジファンドまでわかりやすく解説します。短期売買のようなばくちな運用手法は推奨しません。長期的に資産形成するための極意を教えます。またロボアドバイザーなどのようにマーケティング重視の中身のない運用業界の裏側も紹介していきます。

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