専門家が書いている資産運用ブログだからこそ儲かる情報を得られる。

2019年投資信託の実績と傾向

2019年投資信託の実績と傾向

2019年12月における日本の追加型株式投資信託の流入・流出の推計値をみると、同年12月には、国内株式、外債、外国株式からの資金流出がみられた。昨年十一月と比較すると、十二月は外債の資金流出がやや増加したものの、国内株式の資金流出が3250億円から-3,015億円とやや鈍化したのに対し、外国株式の資金流出は-1800億円から-405億円と大幅に減少した。また、資金流入額が100億円に満たない国内REITも、昨年十二月に資金流入に転じた。その他のバランスのとれたREITと国内債券は、11月以降も引き続き資本流入を受けた。特に、バランス債の流入額は12月は1709億円 (11月1600億円)、国内債券の流入額は315億円 (11月200億円) とわずかに増加しました。

ファンド全体では、昨年十二月の資金流出額は、国内株式や外債の大量流出で-1,588億円と、昨年十月以来三か月連続で減少した。しかし、海外株式からの資金流出が昨年十一月に比べ大幅に減少したこともあり、昨年十二月の海外株式からの資金流出は前年同月の3400億円から半減した。

■投資信託分類別流出入データ

大分類名 本数 純資産合計 1ヶ月 3ヶ月 6ヶ月 1年
1 国内株式型 878 101,146 -3,015 -8,780 -11,091 -13,384
2 国内債券型 136 32,134 315 634 983 1,327
3 国内REIT型 117 29,958 92 -132 399 1,705
4 国際株式型 1,302 187,275 -405 -2,137 -599 -1,252
5 国際債券型 1,457 129,310 -724 -2,204 -3,260 -7,104
6 国際REIT型 276 48,617 588 1,657 2,506 1,607
7 バランス型 1,076 111,975 1,709 4,948 9,311 12,915
8 商品指数連動型 33 2,084 72 111 109 336
9 オルタナティブ投資型 83 7,123 75 225 289 190
10 特殊運用型 39 1,822 -183 -374 -533 -369
11 評価対象外 204 6,303 -113 -241 -300 -438
<合計> 5,601 657,748 -1,588 -6,292 -2,186 -4,466

内外株式ともに利益確定の売りが続く

しかしながら、11月に入り内外株式の資金流出は鈍化したものの、12月に入り、世界的に株価が上昇する中で、利益が確保されたことから、国内外ともに大量の利益確定売りが続いた。

国内株式については、インデックス・ファンドからの資金流出が11月に1000億円、12月に950億円となったのに対し、アクティブ・ファンドからの資金流出は、11月の1950億円から12月には2300億円へと加速した(インデックス・ファンド、アクティブ・ファンドともSMAファンド、DCファンドを除く)。一般には販売されていないSMA・DC向けの国内株式ファンドは、11月の300億円の資金流出から、12月には100億円を超える資金流入に転じ、アクティブファンドを中心とした一般向けの国内株式ファンドは、11月と12月に販売されたことが分かる。昨年十二月には、日経平均株価が2018年十月上旬以来、1年2か月ぶりに一時24,000円台に回復したことから、活発な国内株式ファンドの中長期投資家が十二月に利食い売りに出た可能性がある。

海外株では、資金流出が昨年十一月の1800億円から昨年十二月には450億円と大幅に減少した。減速の主な原因は、11月と同様に大量に売却された大型の新規投資ファンドだった。実際、昨年十二月に新設された外国株式ファンド(そのうちの2本は[グラフ2]赤と太線です。)には、1900億円近い資金が流入した(ところで、昨年十一月に新設された基金には400億円の流入があった。)。これを除いた十二月の資金流出額は2300億円で、十一月の2200億円をわずかに上回った。12月には、国内株式と同様、利益を確保するため、外国株式の売却が11月よりも頻繁に行われた。単体では、2019年上期に人気を博したバイオヘルスケア株式ファンドの資金流出が、昨年十一月の500億円から昨年十二月には800億円に加速しました。加えて、ロボット工学やAIなどの技術テーマへの資金流出も続いた。

 

①流入上位 運用会社名 月末純資産 1ヶ月 3ヶ月 6ヶ月 1年
ファンド名            
1 ティー・ロウ・プライス 米国成長株式ファンド ティーロウプライス 1,479 1,483
2 ピクテ・グローバル・インカム株式(毎月分配) ピクテ投信 10,061 569 1,771 2,878 4,262
3 ファンド・マネジャー(海外株式) 三菱UFJ国際 513 496 496 285 516
4 グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型) 日興アセット 3,600 471 1,568 2,615 3,397
5 ひふみワールド+ レオス・キャピタル 342 338
6 グローバル3倍3分法ファンド(隔月分配型) 日興アセット 1,947 292 920 1,503 1,876
7 東京海上・円資産バランスファンド(毎月) 東京海上アセット 7,237 267 681 1,191 2,288
8 マンAHLスマート・レバレッジ戦略ファンド 大和投信 577 246 568
9 インデックスコレクション(国内債券) 三井住友TAM 505 239 243 251 271
10 東京海上・円資産バランスファンド(年1回) 東京海上アセット 2,854 236 547 972 1,602
11 ファンド・マネジャー(国内株式) 三菱UFJ国際 501 211 474 484 469

2019年はバランス型ファンドに資金流入し、日本株ファンドから資金流出した

2019年を振り返ってみると、昨年から今年にかけて同様の傾向が見られた。2019年は、多くの地域で株価が上昇を続けたことから、内外株式の売却が十二月だけでなく、利食いも確保された。外国株式については、ピクテ・グローバルインカムやティー・ロウ・プライス等一部のファンドの人気により、1年で約1200億円の資金流出と小規模な資金流出がみられたが、国内株式については、1年で1兆4000億円近くの資金流出となった。12年末現在、国内株式の純資産総額は10兆3000億円に達し、この1年間で10%以上の株式が流出した。2019年の資金流出超過額は、国内株式からの資金流出が多かったため、1年間で5000億円となった。

 

■2019年1年の資金流出入

1 バランス型 12,915
2 国内REIT型 1,705
3 国際REIT型 1,607
4 国内債券型 1,327
5 商品指数連動型 336
6 オルタナティブ投資型 190
7 特殊運用型 -369
8 評価対象外 -438
9 国際株式型 -1,252
10 国際債券型 -7,104
11 国内株式型 -13,384
<合計> -4,466

また、2019年には外債からの資金流出が多く、外債の場合は毎月資金が流出し、流出総額は9000億円近くに達した。外債流出の大部分は毎月分配型ファンド(12年末における外債の純資産総額12兆7000億円のうち、毎月分配型は8兆6000億円である。)によるものであり、外債全体の約70%を占めている。2019年には月分配型外債ファンドから1兆1000億円の資金流出があり、2018年の1兆6000億円の資金流出に比べて減少したが、2019年も資金流出は続いた。

一方、バランス型は1年1兆5000億円の流入があった。「グローバル・トリプル3方式ファンド」などの伝統的なものに加え、「東京海上円資産バランスファンド」などのレバレッジを効かせたものも人気があった。また、DC専用のバランス型ファンドに1年間で3000億円を超える投資を行い、確定拠出年金の積立金も原資としました。バランスのとれたREITに加えて、国内REIT、外国REIT、国内債券が12月と同様に年間を通じて純流入となったが、流入額は少なかった。2019年の「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド」が最大の資金流入であったことからも分かるように、2019年は投資家の所得選好が顕著であった。

2020年には何が起こるでしょうか?外債(特に毎月分配型ファンド)からの資金流出は止まっておらず、当面続くとみられる。一方、内外株式の資本流出や投資家の所得選好が続くかどうかは、金融市場の動向次第である。また、バランス型の人気がいつまで続くのか、「バランス・ファンドの資産運用」の人気が定着してスタンダードになるのかはまだ分からない。

2019年は昨年低迷した新興国ファンドが上昇

12月に好調だったファンドのうち、ブラジルの株式ファンドは総じて堅調だった。12月には、英国の総選挙の結果や米中問題の進展を受けて、投資家のリスク回避姿勢が後退した。ブラジル株は、ブラジルと関係の深い中国で景況感が改善したことや、ブラジル中銀の断続的な利下げが国内経済を下支えするとの見方から、大幅上昇した。また、ブラジルレアルが対円で5%上昇したことも、ブラジル株式ファンドを約12%押し上げた。

 

■2019年12月高パフォーマンスファンド

順位 ファンド名 カテゴリー リターン(2019年12月) 純資産額(百万円)
1 HSBC ブラジルオープン 国際株式・ブラジル(F) 12.87% 31,616
2 HSBC ブラジル株式ファンド(3カ月決算型) 国際株式・ブラジル(F) 12.80% 1,324
3 LM・ブラジル高配当株ファンド(毎月分配型) 国際株式・ブラジル(F) 12.55% 5,078
4 BNPパリバ・ブラジル・ファンド(株式型) 国際株式・ブラジル(F) 12.38% 8,480
5 資源ファンド(株式と通貨)南アフリカランド 国際株式・グローバル・除く日本(F) 12.30% 3,738
6 ダイワ・ブラジル株式ファンド 国際株式・ブラジル(F) 12.26% 3,383
7 資源ファンド(株式と通貨)ブラジルレアル 国際株式・グローバル・除く日本(F) 12.23% 12,244
8 資源株ファンド通貨選択S<レアル>(毎月) 国際株式・グローバル・除く日本(F) 12.15% 19,766
9 ブラジル高配当株オープン(毎月決算型) 国際株式・ブラジル(F) 12.08% 10,987
10 BR・ラテンアメリカ株式ファンド 国際株式・エマージング・複数国(F) 11.81% 2,267
11 ダイワ・ブラジル株式オープン-リオの風- 国際株式・ブラジル(F) 11.81% 7,306
12 (NEXT FUNDS)ブラジル株式指数上場投信 国際株式・ブラジル(F) 11.80% 3,013
13 米国エネルギー・ハイインカム・ファンド 『愛称:エネハイ』 国際債券・北米(F) 11.57% 1,174
14 ブラジル株式ファンド 国際株式・ブラジル(F) 10.82% 2,288
15 日興 ブラジル株式ファンド 『愛称:情熱の国』 国際株式・ブラジル(F) 10.75% 2,184
16 新興国高配当株トリプルウイング レアル毎月 国際株式・エマージング・複数国(F) 9.79% 1,334
17 資源ファンド(株式と通貨)豪ドル 国際株式・グローバル・除く日本(F) 9.68% 1,352
18 米国エネルギー革命関連ファンド(年1回)H無 『愛称:エネルギーレボリューション』 国際株式・北米(F) 9.67% 1,822
19 シュローダー・ラテンアメリカ株投資 国際株式・エマージング・複数国(F) 9.62% 5,776
20 米国エネルギー革命関連ファンドB(H無) 『愛称:エネルギーレボリューション』 国際株式・北米(F) 9.62% 18,003

 

2019年を通じて好調だったファンドの中には、テクノロジーテーマ株ファンドや中国株ファンドが好調だった。2019年には、株式ファンドは世界的に上昇し、市場平均(MSCI ACWI)は円ベースで26%上昇したが、リターンは40%を超え、特に大きく上昇した。一方、2019年を中心に上昇したファンドの多くは、2018年の平均株価が2018年の11%であったのに対し、2019年には20%以上下落しており、2018年の株価の急落は、2019年の株価の急騰によって一部相殺されたともいえる。2018年にこれらのファンドを保有し続けた投資家にとって、年は実に実りのある1年であった。

 

■2019年年間高パフォーマンスファンド

順位 ファンド名 カテゴリー 2019年リターン 純資産額(百万円)
1 楽天 日本株4.3倍ブル 株式ブル型 94.40% 24,757
2 SBI 日本株4.3ブル 株式ブル型 94.29% 6,187
3 iFreeレバレッジ NASDAQ100 株式ブル型 81.90% 1,681
4 楽天 日本株トリプル・ブル 株式ブル型 64.97% 10,788
5 ブル3倍日本株ポートフォリオV 株式ブル型 64.57% 47,351
6 (フィデリティSF) テクノロジー 国内中型グロース 58.03% 4,107
7 深セン・イノベーション株式ファンド(1年決算型) 国際株式・中国(F) 54.26% 41,659
8 (NEXT FUNDS)ロシア株式指数上場投信 国際株式・ロシア(F) 51.85% 1,805
9 UBS 中国A株ファンド(年1回決算型) 『愛称:桃源郷』 国際株式・中国(F) 49.85% 10,847
10 情報エレクトロニクスファンド 国内大型グロース 49.31% 10,135
11 野村 世界業種別投資シリーズ(半導体) 国際株式・グローバル・含む日本(F) 48.63% 17,348
12 UBS 中国A株ファンド(年4回決算型) 『愛称:桃源郷・年4』 国際株式・中国(F) 48.38% 2,650
13 UBS 次世代テクノロジー・ファンド 国際株式・北米(F) 48.36% 14,551
14 (野村ブル・ベアS7)米国株スーパーブル7 株式ブル型 48.25% 2,045
15 新興国ハイクオリティ成長株式ファンド 『愛称:未来の世界(新興国)』 国際株式・エマージング・複数国(F) 46.44% 114,832
16 UBS 中国株式ファンド 国際株式・中国(F) 44.65% 13,427
17 ザ・2020ビジョン 国内中型ブレンド 43.99% 4,690
18 UBS 中国新時代株式ファンド(年1回決算型) 国際株式・中国(F) 43.12% 49,870
19 UBS 中国新時代株式ファンド(年2回決算型) 国際株式・中国(F) 42.98% 13,756
20 JPM グレーター・チャイナ・オープン 国際株式・中国(F) 42.69% 4,830

この記事が気になった方は投資信託記事一覧もおすすめです。今人気の投資信託の運用手法がわかります。

投資信託記事一覧

>専門家が届ける本物の資産運用術

専門家が届ける本物の資産運用術

資産運用は「手間なし」「簡単」とはいきません。インデックス投資していればよいなどという、近年素人ブロガーを中心にアンチアクティブ投信の流れが続いていましたが、今後アンチインデックス投信の波も来るでしょう。これはロングオンリーの従来のインデックス運用やアクティブ運用は近年発達してきている「リスク管理」という概念が抜けている、旧世代的な考えを中心としているためです。資産運用の本質は「アクティブかパッシブか」というような小さな戦略の選択ではなく、株、債券リート、ヘッジファンドといった「資産配分」の選択とロングショート、レバレッジを含めた「大きな戦略」の選択です。このサイトでは儲かるために必要な情報を厳選してお届けします。ほかのサイトでは説明していないような株、債券、投資信託、ポートフォリオ、ヘッジファンドまでわかりやすく解説します。短期売買のようなばくちな運用手法は推奨しません。長期的に資産形成するための極意を教えます。またロボアドバイザーなどのようにマーケティング重視の中身のない運用業界の裏側も紹介していきます。

CTR IMG