グローバル3倍3分法ファンドはコロナショックでどのような影響が出たのか?(3月5日更新)
想定外でしょうか?


儲極 グローバル3倍3分法はいまだに緊急レポートを出していないみたいだね。投資家の数も多いのだし、ほかの投資信託が5%以上動いたらレポートを出す中で、少々緊張感が足りないといえるのではないだろうか? […]
グローバル3倍3分法ファンドの3月27日の臨時レポートの内容は?

儲極 ほんとに臨時レポートが出るのは遅かったね。もっと真剣に対応してほしいものだ。商品は革新的な分もったいないように思うよ。 投資家 期待の裏返しですね。 儲極 だが今後もま[…]
グローバル3倍3分法ファンドとはどんなファンドか
現役証券アナリスト儲極がグローバル3倍3分法ファンドについて解説します。
この投資信託は「レバレッジ型」といわれる積極的な運用方法です。投資金額のを元手にお金を借りて3倍の資金を投資に回しています。
ただし2/3が債券のため投資信託の中ではリスクはミドルハイといったところでしょう。
リスク★★★☆☆
革新性★★★★★
グローバル3倍3分法ファンドの中身はなに?
株式60%(日本株20%、先進国株式20%、新興国株20%)、
REIT40%(日本REIT20%、先進国REIT20%)、
債券200%(日本国債40%、米国国債40%、ドイツ国債40%、イギリス国債40%、豪州国債40%)
債権が2/3入っていますが、そもそも3倍のレバレッジを使っています。リターンとリスクは裏返しですから気を付けたいですね。
グローバル3倍3分法ファンドのリスクは?
グローバル3倍3分法ファンドは株式と同じくらいのリスクはとっていると考えてよいと思います。
少なくとも過去の最大下落率は52.8%と一時的に半分以下になっても発狂しない人に限定されます(笑)
リターンは望めそうか?投資の注意点は
グローバル3倍3分法ファンドは3倍のレバレッジをかけていますので、期待リターンも高い傾向があります。
ただしいくつか気を付けなければなりません。
チェックポイント1
まず第一に債券と株の関係です。通常株が価格が高いときは債券価格は安い傾向があります。
そのため株式と債券の分散投資は効果的と言われているのです。
債券価格と金利は反対の値動きをします。金利が高いときは債券価格は安くなっています。
現状米国の債券価格は歴史的に価格の高い(金利の低い)状況です。
このような場合はあまり株と債券の分散投資効果が働いていない時期といえそうです。
今投資するタイミングとしてよいかといわれると悩みますね

でもファンド作った人は「-「先物」とか「レバレッジ」という言葉を聞くと怖くなってしまうお客様もいるのではないでしょうか?はい、もちろんそういう方もいらっしゃると思いますが、グローバル3倍3分法ファンドは「逆相関」の動きをする資産を組み合わせることで値動きを抑制しています。例えば米国や英国、豪州、ドイツの国債と日本株式の相関係数は-0.29から-0.39程度で、理論上日本株が下落するとこれらの国債の価格は上昇する傾向があるということになります。こうした資産を組み合わせることなどによりできる限りリスクを抑えてリターンを高める工夫をしています。」と説明しているみたいですよ?相関係数が低いから分散投資効果が高いので大丈夫なのでは?
チェックポイント2 運用残高が安定しているか
このファンドはレバレッジをかけて運用していますので、資産売却時の資産のたたみ方が3倍ということです。
現在4000憶円近い残高ですが、実際のポジションは1.2兆円ということになり、日本有数のポジションを持った投資信託ということです。
運用残高が一気に減り始めたときに、自分自身のマーケットインパクトにより市場価格が動いてしまう可能性があり、気を付けたいところです。
現在は資金流入ですが、資産流出の上位に来たら、早めに手仕舞うのもよいかもしれません。
最近のレポートのコメントは?
市場環境<国内株式>
2月の国内株式市場は、東証株価指数(TOPIX)が前月末比マイナス10.30%、日経平均株価が同マイナス8.89%と下落しました。上旬は、中国政府が新型肺炎の影響を考慮して景気対策を強化するとの観測が広がったことや、新型肺炎の治療薬に関する報道が好感され景気減速に対する過度な警戒感が和らいだことなどから国内株式市場は上昇しました。中旬から下旬にかけては、2019年10-12月期の国内総生産(GDP)速報値が市場予想を下回ったことや、新型肺炎の感染拡大が中国以外にも広がり始め、世界経済に深刻な影響を与えるとの警戒感が高まったことなどから、国内株式市場は下落しました。東証33業種分類では、鉄鋼、証券・商品先物取引業、陸運業をはじめ、すべての業種が下落しました。
市場環境<先進国株式>
米国株式市場は、前月末と比べて下落しました。上旬から中旬にかけては、米国スマートフォン大手企業が新型肺炎の影響で1-3月期の売上高予想を達成できないと発表したことなどが、株価の重しとなったものの、ISM製造業景況感指数などの経済指標が市場予想を上回ったことや、中国人民銀行が金融市場に資金を供給したこと、中国政府が景気刺激のための財政政策を拡大するとの見方が強まったこと、中国が米国からの一部輸入品の関税引き下げを発表し、米中貿易協議の進展が期待されたことなどから、株価は上昇しました。下旬は、製造業と非製造業の購買担当者景気指数(PMI)が市場予想を下回り、米国景気の下振れ懸念が強まったことや、中国以外で新型肺炎の感染者数が急増し、新型肺炎の世界的なまん延によるサプライチェーン(供給網)の混乱が懸念されたことなどから、株価は下落しました。
欧州株式市場は、前月末と比べて総じて下落しました。上旬から中旬にかけては、ドイツZEW景気期待指数が予想を大幅に下回ったことや、米国スマートフォン大手企業が新型肺炎の影響で1-3月期の売上高予想を達成できないと発表したことなどが、株価の重しとなったものの、中国人民銀行が金融市場に資金を供給したことや、中国政府が景気刺激のための財政政策を拡大するとの見方が強まったこと、中国が米国からの一部輸入品の関税引き下げを発表し、米中貿易協議の進展が期待されたことなどから、株価は総じて上昇しました。下旬は、ユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)が市場予想を上回ったことなどが株価の支援材料となったものの、イタリアなど中国以外で新型肺炎の感染者数が急増し、新型肺炎の世界的なまん延によるサプライチェーン(供給網)の混乱が懸念されたことなどから、株価は総じて下落しました。
市場環境<新興国株式>
2月の新興国株式市場は、前月末と比べて総じて下落しました。上旬は、中国による新型肺炎の感染封じ込めに向けた取り組みによって世界経済の成長鈍化が回避されるとの見方が台頭したことや、一部の新興国で政策金利が引き下げられたことなどが株価の上昇要因となった一方、軟調な原油価格などを嫌気して産油国株式市場の株価が下落するなど、新興国株式市場はまちまちの動きとなりました。中旬から下旬にかけては、新型肺炎の世界的な感染急拡大により、グローバル経済や企業収益への影響が当初の想定よりも深刻になるとの懸念が高まったことや、一部の新興国の政局不安なども嫌気され、新興国株式市場は総じて下落しました。
市場環境<国内債券>
10年国債利回りは、前月末比で低下(債券価格は上昇)しました。新型肺炎の感染拡大を背景に中国の景気対策の強化が期待されたことや、中国政府が米国からの輸入品の一部の関税を引き下げると発表したことなどから国内株式市場が一時上昇し、利回りが上昇(債券価格は下落)する局面があったものの、2019年10-12月期の国内総生産(GDP)速報値が市場予想を下回る弱い内容だったことや、新型肺炎の感染拡大を懸念した投資家のリスク回避姿勢が強まったことなどから、10年国債利回りは低下しました。国庫短期証券(TB)3ヵ月物金利は、前月末比で低下し、マイナスの金利幅を拡大させました。その他国債の利回りは、全ての年限について低下しました。
市場環境<海外債券>
米国の債券利回りは、前月末比で低下(債券価格は上昇)しました。米国供給管理協会(ISM)製造業景況指数が好不況判断の分岐点とされる50を超えて前月の水準も上回ったことや、中国人民銀行による金融市場への資金供給などにより、市場のリスク回避姿勢が緩和したことなどから利回りが上昇(債券価格は下落)する局面があったものの、新型肺炎の感染が中国以外でも広がるなか、米国大手IT企業による売上高予想の未達成見通しが発表され、企業活動や世界経済への影響拡大が警戒されたことや、米国の景況感指数がサービス業と製造業ともに市場予想以上に悪化したこと、それらを背景とした米国連邦準備制度理事会(FRB)が追加利下げに動くとの観測などから、利回りは低下基調となりました。2月の欧州債券市場では、10年国債利回りは前月末比で総じて低下(債券価格は上昇)しました。上旬は、中国人民銀行に
よる資金供給の実施や、中国政府の経済支援策への期待、新型肺炎のワクチン開発や治療薬を巡る報道が好感され、市場のリスク回避姿勢が緩和したことなどを背景に、利回りは総じて上昇(債券価格は下落)しました。中旬から下旬にかけては、国内総生産(GDP)などドイツの経済指標が市場予想を下回り、ドイツや欧州景気の先行きが懸念されたことや、新型肺炎の感染が中国以外でも拡大し、世界経済に与える悪影響が意識されたこと、それらを背景とした欧州中央銀行(ECB)による金融緩和政策の長期化観測などから、利回りは総じて低下しました。
市場環境<国内REIT>
2月のREIT市場は、前月末比で下落しました。上旬から中旬にかけては、都心部オフィスの空室率の低下や平均賃料の上昇を示す経済指標が発表され不動産市況の好調が示唆されたことや、中国政府が新型肺炎の影響を考慮して景気対策を強化するとの観測が広がり、国内株式市場が上昇したことなどを背景に、REIT市場は上昇しました。下旬は、長期金利の低下などがREIT価格の支援材料となったものの、新型肺炎の感染拡大が世界経済に深刻な影響を与えるとの警戒感が高まったことなどを受けて、REIT市場は下落しました。
市場環境<海外REIT>
2月のS&P先進国REIT指数(除く日本)は、前月末と比べて下落しました。米国REIT指数は、前月末と比べて下落しました。前半は、概ね堅調な内容となった主要REITの決算が好感されたこ
とや、米国供給管理協会(ISM)製造業景況指数など米国経済指標が市場予想を上回り米国株式市場が上昇したことなども追い風となり、同指数は上昇しました。後半は、新型肺炎の世界的な感染拡大が米国企業業績や米国経済に与える悪影響が懸念されたことや、米国株式市場の軟調な推移などを背景に、同指数も下落する展開となりました。
欧州REIT指数は、前月末と比べて下落しました。前半は、欧州長期金利が上昇したことなどが同指数の重しとなったものの、中国政府が景気刺激のための財政政策を拡大するとの見方などを背景に欧州株式市場が上昇したことなどが支援材料となり、同指数は上昇しました。後半は、新型肺炎がイタリアなど欧州でも感染拡大をみせ欧州や世界経済に与える悪影響が意識されたことや、収益悪化が懸念された欧州小売セクターのREITへの売り圧力が強まったことなどから、同指数は下落しました。
オーストラリアREIT指数は、前月末と比べて下落しました。前半は、中国政府による景気刺激策への期待などを背景にオーストラリア株式市場が上昇したことや、オフィスREIT大手の良好な決算内容と来季見通しが示されたことなども支援材料となり、同指数は上昇しました。後半は、オーストラリアの失業率が市場予想以上に悪化したことなどを受けたオーストラリア長期金利の低下が同指数の下支えとなったものの、新型肺炎の感染が世界各国に広がり世界経済に与える悪影響が警戒されたことなどを背景に、同指数は下落しました。
結論 買っていいのか?かって悪いのか? (2019年11月時点)
このファンドは現在買っていいのか悪いのかでいうと買わないほうが良いでしょう。
株も高い、債券も高い、リートも高い‥‥評価タイミングが悪すぎる(´;ω;`)
モーメンタム★☆☆☆☆
ただし、積立投資での購入は推奨です。
ファンド作成者もインタビューで
「先ほど申し上げたようにグローバル3倍3分法はリターンを高めてリスクを抑える工夫を導入している投資信託ですが、それでもやはり短期的なリスクは小さくありません。ぜひ「投信積立」の仕組みを活用し時間を味方につける投資を行っていただきたいと思います。」と述べています。
積立投資 ★★★★☆
良いファンドだと思ったらハゲタカのように投資家が群がり、運用残高が増えるが、損したとみると急激に残高が減る、これは販売会社主導の運用会社の悲哀とも言えます。久しぶりに運用会社から出た革新的なファンドですので10年といわずもっと長期に続いてほしいですね。
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