ティー・ロウ・プライス 米国成長株式ファンド急落でどう対応すすればいいのか?3月13日追記

ティー・ロウ・プライス 米国成長株式ファンド・3月16日臨時レポート
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、世界の株式市場では値動きの激しい展開が続いています。当レポートでは、米国株式下落の背景、アメリカン・ロイヤルロードのパフォーマンス、今後の見通しと投資方針、足元の投資行動についてお伝えします。
1. 市場環境と基準価額の推移
景気後退懸念、原油安を背景に株価急落、安全資産の円に資金流入
2月半ば頃より新型コロナウイルスによる感染がアジアから欧州に広がり、更に、3月に入ると米国に波及するに至り、局地的な影響から世界レベルでの景気悪化が懸念されるようになり、投資家心理が急速に悪化しました。また、石油輸出国機構(OPEC)とロシアの追加減産協議が決裂し、サウジアラビアが増産に動いたことで原油価格が急落、株式に対する売り圧力が一層強まりました。
先週、世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスをパンデミック(世界的な大流行)と宣言、米トランプ大統領が欧州からの入国制限を発表しました。ヒトとモノの移動が制約され、世界経済が景気後退に陥るとの不安感か
ら米国株式はパニック的な売りに見舞われ、1週間でサーキットブレーカー(全株式の取引一時停止)が2度発動、3月12日にはダウ工業株30種平均が前日比で過去最大の下げ幅を記録しました。
外国為替市場では、リスク回避の姿勢の高まり、米連邦準備理事会(FRB)による追加利下げ観測が高まったことで日米金利差縮小を見込んで円高が進行しました。
株価下落に加え円高進行がファンドの基準価額にマイナスの影響
世界的な株価下落と円高の影響を受け、3月13日現在のファンドの基準価額は7,711円と2月末と比べて18.91%下落しました。同期間に、米国株式市場は円ベースで20.62%(米国株式▲16.72%、米ドル▲3.89%)下落しました。
当ファンドは、①持続成長銘柄、②循環成長銘柄、③特殊な成長銘柄という異なる成長の視点から、中長期的に利益とキャッシュフローの2桁成長が期待される銘柄への選別投資を行います。市場が混乱する中、多様な成長機会への分散投資が奏功し、ティー・ロウ・プライス 米国成長株式ファンドの下落幅は市場平均よりも小幅に留まりました。
2.今後の見通しと投資方針
当面は大きな相場変動が継続する見込み、財政政策の景気下支え効果に期待
新型コロナウイルスの感染に係る状況は不確実な要素が多いことから、短期的には株価変動性が高止まりし、軟調な展開が続く可能性があると見ています。市場が落ち着きを取り戻すまでにどれだけの時間がかかるかは、各国がウイルスの感染拡大を抑制できるかどうかにかかっています。また、ロシアとサウジアラビアのシェア奪還に向けた原油価格引き下げ競争も不透明感に拍車をかけています。米国では、まだ感染が確認されてから日が浅く、今後、診断ペース加速につれて感染者が増えると想定され、経済に及ぶ影響については未知数ですが、特に旅行、運輸、資本財、中国関連企業の2020年1-3月期の企業業績に対する悪影響は避けられないと見ています。
一方で、FRBは事実上のゼロ金利政策を決定し、量的緩和の再開を発表しました。加えて、今後中国、米国等における財政政策の効果が顕在化してくれば目先の景気後退のリスク低減が期待できます。
冷静さを失うことなく個別銘柄のファンダメンタルズ分析に基づくボトムアップアプローチを堅持
上記の市場認識を踏まえ運用チームでは、変動性が上昇する中でも冷静さを失うことなく、これまでと同様に長期的な視点に基づき、個別銘柄のファンダメンタルズ分析に基づくボトムアップアプローチを堅持します。質が高く、良好な財務基盤を有し、今回の混乱を同業他社に先んじて乗り切り、より盤石な地位の確保を図ることができる企業に着目しています。
3. 投資行動
状況の進展を注視しつつ、ファンダメンタルズと株価のかい離を考慮して銘柄を入替
ティー・ロウ・プライスでは、日々状況が変化する中、医学博士の資格を持つ医薬品担当アナリストをはじめ、世界各国のアナリストから新型コロナウイルスの拡散状況、各種統計結果、現地専門家の見解や分析等、最新の情報が運用担当者に共有される体制を構築しています。また、経済活動の停滞やウイルス感染の長期化から企業の資金繰りが懸念される中、株式アナリストは、債券アナリストと連携し、企業の財務状況を改めて精査するよう努めています。
上記の見通しや財務状況の再精査、株価の変動を受けて、相対的に株価が堅調に推移してきた銘柄やウイルスの感染拡大による収益への悪影響が今後より一層拡大する可能性がある銘柄を一部削減し、ファンダメンタルズに対して株価が割安な銘柄や独自の成長ドライバーを有する銘柄の購入、買い増しを行っています。
■購入 ・組入比率を引上げた銘柄
- ウイルスの感染拡大の恩恵を受ける医療サービス/バイオ医薬品銘柄
- ウイルスの影響懸念や個別要因で株価に割安感の出た成長銘柄(アマゾン・ドット・コム、アップル)
- 独自の成長要因を有する銘柄(グローバルペイメント)
■売却 ・組入比率を引下げた銘柄
相対的に株価が堅調に推移した銘柄
- 好業績期待で株価が相対的に堅調に推移した中国関連(アリババ・グループ・ホールディング、テンセント・ホールディングス)
- 好業績発表(半導体関連)
- 在宅時間増加による需要増大(ネットフリックス)
- 中国市場の減速の影響が相対的に大きい消費関連銘柄(ナイキ)
ティー・ロウ・プライス 米国成長株式ファンド・3月17日臨時レポート
【基準価額の下落要因】
米トランプ大統領が新型コロナウイルスの感染拡大が年後半まで継続し、景気後退に陥る可能性に言及したことに加えて、欧米における移動制限の強化や主要都市における飲食店の営業停止等が導入されたことで経済活動がより一層低迷するとの見方が広まり、世界株式市場は急落しました。米国株式市場では、1 ヶ月で 3 度目のサーキットブレーカー(全ての株式取引の一時停止)が発動され、米ダウ工業株 30 種平均は史上最大の下げ幅を記録しました。新型コロナウイルスの感染が経済に及ぼす影響の深刻さと期間が見通せない中、ハイイールド債等、流動性の低い資産から資金が流出しており、グローバルな信用収縮に対する警戒感が高まっています。
米連邦準備理事会(FRB)は 15 日(米国時間)に緊急会合を開催し、実質的なゼロ金利政策の導入と量的金融緩和の再開を決定し、金融機関や企業の資金繰りを支援する姿勢を示しました。週末の発表という異例の対応は市場心理を改善させるには至らず、むしろ状況の深刻さを浮き彫りにする形となりました。また、ニューヨーク連銀が発表した製造業景況指数は前月と比べて大幅に低下し、新型コロナウイルスの感染拡大が経済に与える影響が初めて統計に示されました。
金融市場の混乱を受けて主要 7 カ国(G7)は緊急テレビ会議を開催し、新型コロナウイルスの感染拡大阻止に向けてあらゆる手段を総動員し、世界経済の安定へ向けた対策において連携する姿勢を確認すると共に、追加的な景気浮揚策を導入することで合意しました。
【今後の見通しおよび運用方針】
新型コロナウイルスの感染に係る状況は不確実な要素が多いことから、短期的には変動性が高止まりし、軟調な展開が続く可能性もあると見ています。市場が落ち着きを取り戻すまでにどれだけの時間がかかるかは、各国がウイルスの感染拡大を抑制できるかどうかにかかっています。また、ロシアとサウジアラビアのシェア奪還に向けた原油価格引き下げ競争も不透明感に拍車をかけています。米国では、まだ感染が確認されてから日が浅く、今後、診断ペース加速につれて感染者が増えると想定され、経済に及ぶ影響については未知数ですが、特に旅行、運輸、資本財、中国関連企業などに加えて広範な企業の2020 年 1-3 月期の企業業績に対する悪影響は避けられないと見ています。一方で、FRB は事実上のゼロ金利政策を決定し、量的緩和の再開を発表しました。加えて、今後中国、米国等における財政政策の効果が顕在化してくれば目先の景気後退のリスク低減が期待できます。
ティー・ロウ・プライスでは、日々状況が変化する中、医学博士の資格を持つ医薬品担当アナリストをはじめ、世界各国のアナリストから新型コロナウイルスの拡散状況、各種統計結果、現地専門家の見解や分析等、最新の情報が運用担当者に共有される体制を構築しています。また、経済活動の停滞やウイルス感染の長期化から企業の資金繰りが懸念される中、株式アナリストは、債券アナリストと連携し、企業の財務状況を改めて精査しています。上記の市場認識を踏まえ運用チームでは、変動性が上昇する中でも冷静さを失うことなく、これまでと同様に長期的な視点に基づき、個別銘柄のファンダメンタルズ分析に基づくボトムアップアプローチを堅持します。質が高く、良好な財務基盤を有し、今回の混乱を同業他社に先んじて乗り切り、より盤石な地位の確保を図ることができる企業に着目しています。市場が動揺する中でも長期的な視点を維持し、世界各国の調査チームからの洞察に基づき持続的な成長が見込める企業への投資を行い、優れたパフォーマンスの創出に努めます。
ティー・ロウ・プライス 米国成長株式ファンド・3月17日臨時レポート
2020 年 3 月 17 日、ティー・ロウ・プライス 米国成長株式ファンド(愛称:アメリカン・ロイヤルロード)の基準価額が前 営業日比で大きく下落したことを受け、基準価額の主な下落要因と今後の運用方針についてお知らせいたします。
【基準価額の下落要因】
米トランプ大統領が新型コロナウイルスの感染拡大が年後半まで継続し、景気後退に陥る可能性に言及したことに加えて、 欧米における移動制限の強化や主要都市における飲食店の営業停止等が導入されたことで経済活動がより一層低迷する との見方が広まり、世界株式市場は急落しました。米国株式市場では、1 ヶ月で 3 度目のサーキットブレーカー(全ての株 式取引の一時停止)が発動され、米ダウ工業株 30 種平均は史上最大の下げ幅を記録しました。新型コロナウイルスの感 染が経済に及ぼす影響の深刻さと期間が見通せない中、ハイイールド債等、流動性の低い資産から資金が流出しており、グ ローバルな信用収縮に対する警戒感が高まっています。
米連邦準備理事会(FRB)は 15 日(米国時間)に緊急会合を開催し、実質的なゼロ金利政策の導入と量的金融緩 和の再開を決定し、金融機関や企業の資金繰りを支援する姿勢を示しました。週末の発表という異例の対応は市場心理 を改善させるには至らず、むしろ状況の深刻さを浮き彫りにする形となりました。また、ニューヨーク連銀が発表した製造業景況 指数は前月と比べて大幅に低下し、新型コロナウイルスの感染拡大が経済に与える影響が初めて統計に示されました。
金融市場の混乱を受けて主要 7 カ国(G7)は緊急テレビ会議を開催し、新型コロナウイルスの感染拡大阻止に向けてあ らゆる手段を総動員し、世界経済の安定へ向けた対策において連携する姿勢を確認すると共に、追加的な景気浮揚策を 導入することで合意しました。
【今後の見通しおよび運用方針】
新型コロナウイルスの感染に係る状況は不確実な要素が多いことから、短期的には変動性が高止まりし、軟調な展開が続く 可能性もあると見ています。市場が落ち着きを取り戻すまでにどれだけの時間がかかるかは、各国がウイルスの感染拡大を抑 制できるかどうかにかかっています。また、ロシアとサウジアラビアのシェア奪還に向けた原油価格引き下げ競争も不透明感に拍車をかけています。米国では、まだ感染が確認されてから日が浅く、今後、診断ペース加速につれて感染者が増えると想定さ れ、経済に及ぶ影響については未知数ですが、特に旅行、運輸、資本財、中国関連企業などに加えて広範な企業の 2020 年 1-3 月期の企業業績に対する悪影響は避けられないと見ています。一方で、FRB は事実上のゼロ金利政策を決 定し、量的緩和の再開を発表しました。加えて、今後中国、米国等における財政政策の効果が顕在化してくれば目先の景気後退のリスク低減が期待できます。
ティー・ロウ・プライスでは、日々状況が変化する中、医学博士の資格を持つ医薬品担当アナリストをはじめ、世界各国のアナ リストから新型コロナウイルスの拡散状況、各種統計結果、現地専門家の見解や分析等、最新の情報が運用担当者に共有される体制を構築しています。また、経済活動の停滞やウイルス感染の長期化から企業の資金繰りが懸念される中、株式 アナリストは、債券アナリストと連携し、企業の財務状況を改めて精査しています。
上記の市場認識を踏まえ運用チームでは、変動性が上昇する中でも冷静さを失うことなく、これまでと同様に長期的な視点 に基づき、個別銘柄のファンダメンタルズ分析に基づくボトムアップアプローチを堅持します。質が高く、良好な財務基盤を有し、 今回の混乱を同業他社に先んじて乗り切り、より盤石な地位の確保を図ることができる企業に着目しています。市場が動揺 する中でも長期的な視点を維持し、世界各国の調査チームからの洞察に基づき持続的な成長が見込める企業への投資を行い、優れたパフォーマンスの創出に努めます。
ティー・ロウ・プライス 米国成長株式ファンド・3月31日臨時レポート
2020 年 3 月 30 日、ティー・ロウ・プライス 米国成長株式ファンド(愛称:アメリカン・ロイヤルロード)の基準価額が前 営業日比で大きく下落したことを受け、基準価額の主な下落要因と今後の運用方針についてお知らせいたします。
【基準価額の下落要因】
米国の新型コロナウイルスの感染者数が 26 日に中国、イタリアを上回って世界最多となり、27 日には 10 万人を超えるな ど、ウイルス感染に収束の兆しが見られない中、世界的な外出制限の拡大により経済活動の停滞が長期化するとの不安感 から米国株式は大きく下落しました。3 月のミシガン大学消費者信頼感指数が 3 年半ぶりの低水準となり、経済活動の停 滞が景気に及ぼす影響が改めて確認されたことも投資家心理にマイナスとなりました。
米国では、与野党が党派間の相違を乗り越え、2 兆 2,000 億ドル規模の経済対策法案の成立に漕ぎつけました。当法案 は、家計への現金給付や中小企業の給与補填を中心としており、医療機関への必要な物資供給にも資金を振り向ける内 容となっています。既に民主党が追加策の必要性について言及する一方で、共和党は追加策については状況を見極めた上 で検討したい意向を示しており、今後の争点となることが予想されます。
外国為替市場では、米長期金利が低下したことを受け金利差縮小観測から円高ドル安が進行しました。
【今後の見通しおよび運用方針】
欧米では新型コロナウイルス感染の拡大傾向が続き、治験数が少ないと見られる一部新興国や発展途上国への波及も懸 念され、どれだけの経済価値が失われるのか最終的な帰結が見通せない環境下では投資家心理が振れ易く、激しい株価 の値動きが続くと見込まれます。
しかし、今回の株価急落はこれまでに見られた急落とは異なる性質のものと私たちは捉えています。これまでの急落では負債 の過剰な積み上がりや投資マネーの偏在が背景にあり、それが崩壊しないと出直せないほど膨れ上がった状況下で発生しました。一方今回の急落は、ウイルスの爆発的感染といった「自然災害」が原因であり、過去のような経済的な偏在が見られな い巡航速度だった経済環境において、半ば強制的に人々や経済の活動を停止させたことに起因します。もちろん爆発的感染によってある程度の経済的損失は避けられませんが、感染が収束すれば、その後の経済復興をさえぎる負の力はそれほど 多くないと私たちは見ています。
こうした認識のもと、市場が落ち着くための条件として私たちは①財政・金融政策、②検査と治療の進捗、③米国の感染ピ ークアウトの3つに注目しています。①については失われる短期的な経済価値をどれほど補えるかを計る意味で重要と思われ ます。米国の 2 兆 2,000 億ドル規模の経済対策に加え、中国や欧州、日本でも大型の経済対策が検討されており前向 きと判断しています。②についてはより多くの検査が進めば未捕捉の患者数や感染規模の全体像が見え、これにより一層正 確な予測ができるようになります。③は投資家心理を好転させる大きな要因となります。ファンド運用では、現在の市場環境 は流動的な部分も多くリスクには細心の注意を払いながらも、上記の 3 つのポイントを念頭に、リスク耐性に強く一方で状況 が改善した際にそれを享受できると考えるベストな銘柄で構成されるよう注意深くポートフォリオ運営を行っています。
最後に私たち運用部門の現在の取り組み状況についてお知らせします。世界的に経済活動が停止あるいは制約を受け、そ れがどれほどの期間続くか見通せないなか、企業調査において足元の財務状況を確認する作業は非常に重要となっています。 このためティー・ロウ・プライスの運用部門では、企業の経営陣や各分野の専門家などと毎日 10 数回の電話会議を行い、最 新の財務状況、経済環境、および新型コロナウイルスの感染状況や医療事情の把握に努めています。また、リーマン・ショック 発生より前にサブプライムローンを問題提起し売却推奨した実績を持つ債券運用リサーチ部門とも緊密に連携し、資金調達の難易度や個別発行体企業の資金繰り状況などの把握を進めています。