今回はリターンに注目してお勧めヘッジファンドファンドランキングを作ってみました。
世界トップクラスのグローバルマクロファンドから選んでいます。ほかにもヘッジファンドは様々な戦略がありますが
①投資対象の透明性
②投資対象の流動性
③様々な投資環境でリターンを上げる可能性
④ファンドマネージャーの裁量の広さ
という4つの観点からグローバルマクロを中心に紹介します。
何より多くの投資家がイメージするジョージ・ソロスやレイ・ダリオ、タイガーグローバルなどはいずれもグローバルマクロ運用を主体としています。基本的に海外のヘッジファンドは低くて10万ドル、おおよそ1100万円から、高くて5.5億円ほどから投資ができると思います。そのくらい一括投資ができるくらいの資力がある人でないと向かないということです。例えばハイダージュピターのサイトでは具体的なファンド名や運用成績は記載されておらず、「弊社、ファンド、その他関連情報については、弊社まで直接お問い合わせください。当ウェブサイトに記載されている投資商品は、全ての投資家に利用可能なものではなく、また全ての投資家に適したものでもありません。」と記載したうえで具体的な表示はしないこととなっています。
ヘッジファンドおすすめランキング1位 プルレブグローバルマクロファンド
シンガポール系ヘッジファンドでグローバルマクロファンド戦略のプルレブグローバルマクロファンド は5年リターンで世界トップクラスの実績となっています。最大下落率は36%と高いリターンのヘッジファンドでも一時的には大きくマイナスになっている点は確認しておきたいですね。
このファンドはプルーデントとレバレッジを組み合わせて「慎重なレバレッジ」ファンドという意味でプルレブと名付けたといわれています。このファンドはシステマチックと裁量投資を組み合わせた珍しいタイプのヘッジファンドで、2019年も2月まででリターンを出しているという点で非常に有力なヘッジファンドとなっています。機関投資家は投資できていると聞いています。おそらくですが個人でも25万ドルで投資ができると聞いています。ただし高いリターンだけでなくリスクも36%と、かなりのハイリスクハイリターンのファンドのため注意が必要です。
ここに投資する場合はヘッジファンドのゲートキーパーを探すのが良いと思います。
年別リターン | 年間リターン | 運用残高 |
2020年2月まで | 9.41% | $ 356.94 M |
2019 | 115.62% | $ 308.95 M |
2018 | -7.80% | $ 140.16 M |
2017 | 51.77% | $ 130.67 M |
2016 | 34.17% | $ 71.27 M |
2015 | 31.39% | $ 49.19 M |
年平均リターン | 52.69% | |
最大下落率 | 36.74% | |
年平均リスク | 37.65% | |
シャープレシオ | 1.38 |
ヘッジファンドおすすめランキング2位 ハイダー・ジュピター コンポジット
惜しくも次点になったヘッジファンドはハイダー・ジュピター コンポジットです。2015年がマイナスだったのが惜しいですね。しかし2020年も3月はわかりませんが2月までで抜群の成績となっています。
最大下落率は31%ほどとなっています。
ハイダー・ジュピターは複数の戦略を持つマルチストラテジー・マクロ・ヘッジ・ファンドで、先進国の多くの市場で取引されている。当ファンドは、高利回り・株式市場におけるモメンタム、平均回帰、市場の非効率性など、様々な戦略を用いています。このファンドは、株式、通貨、債券など幅広い資産を利用しています。運用会社はニューヨークとなりますので、投資する場合は海外法人を持つか、マネージドアカウントの設立が必要になるかもしれません。マネージドアカウントの場合おそらく5.5億円ほど必要になるかと…。
年別リターン | 年間リターン | 運用残高 |
2020年2月まで | 22.98% | $ 651.20 M |
2019 | 31.40% | $ 607.04 M |
2018 | 8.09% | $ 390.61 M |
2017 | 31.42% | $ 384.00 M |
2016 | 14.36% | $ 313.51 M |
2015 | -21.48% | $ 327.46 M |
年平均リターン | 18.74% | |
最大下落率 | 31.99 | |
年平均リスク | 16.49% | |
シャープレシオ | 1.04 |
ヘッジファンドランキング3位 H2O アレグロ
このファンドも昨年62%とかなり高いリターンを上げています。過去の最大下落率は―17%と価格変動リスクが20%と高い割に、マイナス幅が小さいのは、おそらく様々な投資対象を組み入れている資産分散効果とともに、複数の運用戦略を組み入れたマルチストラテジーとしての特徴も発揮されていると思われます。ただし通常のマルチストラテジーよりカナリハイリスクハイリターンのため、レバレッジはかなり高いのではないかと思われます。
H2O アレグロの運用目標は、戦略的・戦術的ポジションに基づく運用プロセスを実施することにより、日々のEONIAレートを上回るパフォーマンスを達成するとともに、運用報酬と運用報酬を控除した最低推奨投資期間を超えて、全世界の債券・通貨市場における裁定取引を実施することです。なお、当ファンドのレバレッジ比率は平均3/4を目安としておりますが、これより高い水準に達することがあります。当ファンドのレバレッジ効果の指標水準は、使用されるすべての金融契約の名目ポジションの合計として計算されます。使用される会計通貨はEURです。償還支払い情報については、スイング価格に関する会社のドキュメントを参照してください。2019年10月以降、AUMはすべての株式クラスの合計を反映し、ユーロ建てとなっている。
暦年 | リターン | 運用残高 |
2020年2月まで | -17.15% | 1602.05 M |
2019 | 62.77% | 1595.18 M |
2018 | 38.95% | 未登録 |
2017 | 25.89% | 未登録 |
2016 | 10.84% | 未登録 |
2015 | 31.78% | 未登録 |
年平均リターン | 26.88% | |
最大下落率 | -17.15% | |
年平均リスク | 20.20% | |
Sharpe Ratio | 1.3 |
お勧めヘッジファンドランキング又はファンドランキングに注意
国内ヘッジファンドで検索すると、上記のような謎のファンドランキングが乱発されていますが、金融庁に登録してあるようなまともな和製ヘッジファンドには個人投資家は投資できません。
こうしたランキングサイトの先駆けであるタケシのブログは行政処分を受けたキャロライナパートナーズとファインドエッジを紹介しており、これを真に受けた多くの投資家が被害を受けています。このようなランキングサイトはその正しさを保証するものではありません。
2020年3月起きたことですが、雅投資顧問という会社がステルスマーケティングで行政処分を受けました。同時にTMJ投資顧問も行政処分を受けています。この投資顧問をステルスマーケティングしていたサイトは少なくとも3つ以上あり、その中には優良投資顧問&株情報サイトを裏分析を運営するコロンブス氏のように「ケンブリッジ大学を卒業し、外資系証券会社勤務」などと、そういったランキングサイトに書かれているのと同じような経歴がかかれいます。このサイトの悪いところは2019年9月にベストプランナーという、このサイト一押しの投資顧問がステルスマーケティングで処分を受けた後、さらに2社行政処分を受けており、疑う余地がない点でしょう。このようにインターネットの情報でランキングサイトというのは多かれ少なかれアフィリエイト目的など、情報が操作されている可能性が高いことを理解してください。
ではこのサイトはどうなのかだって?「気を付けるべきでしょう!」。ただ言っておくと、このおすすめランキングはアフィリエイトリンクは張っていません。またグローバルマクロ戦略を専門のデータベースを見るとおそらく過去5年の実績では上記3つのファンドはランキング上位には入ってくるはずです。
甘い言葉に気をつけろ
資産運用は必ずリスクがあります。マイナスがないなんて売り文句は信じてはいけません。
例えばオプションのような値動きのファンドは途中まで安定していますが、条件を超えると急激にマイナスが拡大するような、非正規分布の投資対象も存在します。例えば仕組み債などが多いのですが、こうした一般的に言われるかっかう変動が間につきにくい投資対象はリスクが低いと考えやすいようです。
またよくあるFXの自動売買や未上場企業株投資でよくあることは、未実現損益を計上していない成績を見せることです。例えばFXの場合、確定利益のみリターンとして見せて、その裏に大量の含み損を抱えている運用なども過去には多く存在しました。
合同会社系ヘッジファンドでも使われるFXソフトの成績偽装のトリックとは
すべて上げているときりがないので、昔からよく行われているFXの成績偽装を紹介します。合同会社系の自称ヘッジファンドでも「私も投資しています」などと成績を開示しているものがありますが、昔ながらのFXの成績偽装でも同様なことが行われてきました。
含み損隠蔽(いんぺい)トリック
FXは短期売買が多く取引量が多くなるのを利用した、トリックです。決済履歴のみを見せて、益出しした画像のみ見せて、含み損を見せない方法や、損益金額や枚数(ロット数)を隠して、見た目の決済をよくする方法などがあります。
例えば
1回目決済:+9pips
2回目決済:+7pips
3回目決済:-4pips
4回目決済:+6pips
5回目決済:+8pips
このような取引があったらすごいと思うのではないでしょうか?
9+7-4+6+8=26pips として掲載します
しかし実際には取引量の枚数を画像から切り取っており、
1回目決済:+9pips(1枚)
2回目決済:+7pips(1枚)
3回目決済:-4pips(9枚)
4回目決済:+6pips(1枚)
5回目決済:+8pips(1枚)
実際には9+7-4×9+6+8=-6といった取引だったりします。
このように損失をまとめて出すことで「うまい」とみられる取引明細を作成することが可能です。
画像修正ソフトで取引明細を書き換えるトリック
もっと簡単なのは画像修正ソフトで取引明細を書き換えることです。思ったより簡単にできますので取引明細を見せても何の証明にもなりません。
そもそも嘘のデータを公表している
これはFXではありませんが、わかりやすい事例でご案内します。歴史上最大のポンジスキームといわれたマドフファンドはなんと18年にわたって虚偽の運用報告を続けていたことがわかっています。その後AIJという日本の年金基金向けの詐欺事件も発覚しましたが、運用成績が非常に良すぎるという点で似ています。市場性の高い、株、債券、FXなどに投資している場合、市場のリスクを「平時」はマーケットニュートラルにすることで抑えることができますが、リーマンショックやコロナショックのような「有事」では、通常と異なる質への逃避が起きるため、普段とは異なるリスクプロファイルとなります。下記の二つの実績を見てもあまりに完璧すぎて「長期の実績」を見て怪しいと思わなかったらプロとは思えません。反対に2.3年しか運用期間がたっていないとき、このファンドがポンジスキームか判断することはかなり難しいといえます。