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リスク・パリティ・ポートフォリオ& オールシーズンズ・ポートフォリオ

リスク・パリティ・ポートフォリオ& オールシーズンズ・ポートフォリオ

フレーフレー
今日も頑張って資産運用を学びましょう

「すべての資産クラスに良い環境と悪い環境があることは知られている。そして、そのような資産クラスの1つには、一生のうちに1度は破滅的な環境が訪れることを私は知っています。これは歴史を通じて真実である」:ブリッジウォーターアソシエイツの創設者であるレイ・ダリオ氏

「今、2022年の世界がどのようになるかはわからないが、2022年に成功するポートフォリオを構築することはできる。」:ボブ・プリンス氏

 

リスク・パリティ(Risk Parity)戦略とは、一般的にポートフォリオを構成する各資産のリスクの割合が均等・又は一定になるように分散して保有することにより、リスクを低減させる運用手法を指します。欧米の海外機関投資家の間では比較的幅広く利用されている手法で、株式や債券、コモディティといった異なる資産のリスク量をそろえるため、各市場のボラティリティ(かい離率)の動きに合わせて、それぞれの組み入れ割合を随時変更、調整します。一般的なリスク・パリティ理論は特に目新しい戦略ではありませんが、用語としては新しく、ここ最近流行しています。リスクはさまざまな方法で定義されますが、ボラティリティは代表例です。例として、60/40の株式と債券のポートフォリオは、リスク換算では株式は60%ではなく、株式のボラティリティがポートフォリオ全体のボラティリティを支配しているので、むしろ株式の割合は90%といえます

 

60-40ポートフォリオ -資産割合とリスク割合
60-40ポートフォリオ -資産割合とリスク割合

リスク・パリティの起源は、ハリー・マーコウィッツの近代ポートフォリオ理論にある。1950年に発表された理論ですが、最終的にはノーベル賞を受賞しました。基本理論は、効率的フロンティアの概念を示唆しています。それは、あるリスク水準に対して最高のリターンをもたらす配分であり、逆もまた同様です。この理論をトービン、トレイナー、シャープらの研究と組み合わせると、ポートフォリオは望ましいリスクとリターンのパラメータを目標とするためにレバレッジやデレバレッジが可能であることが示されます。多くのコモディティ・トレーディング・アドバイザ(CTA)も、少なくとも1980年以降、リスク・レベルまたはボラティリティ・レベルのポジション・サイジング手法を使用しています。

 

運用資産ベースで世界最大級のヘッジファンド、レイ・ダリオのブリッジウォーターは、1996年に 「全天候型(オールウェザー)」 と呼ばれる真のリスク・パリティ・ポートフォリオを初めて公開した。その後、多くの企業がリスク・パリティ商品を発売した。基礎となる構築方法は異なるが,一般的には同じである。Bridgewaterや他の研究者がこの問題について広範に発表している。

 

リスク・パリティについて読むべき三つの入門書は「全天候物語(The All Weather Story)」、「投資の最大の間違い(The Biggest Mistake in Investing)」、「工学的目標リターンとリスク(Engineering Targeted Returns and Risks)」です。これらはすべてブリッジウォーターのウェブサイトで見ることができます。ブリッジウォーターはホワイトペーパー(米国株や債券など)でこの理論「「オールウェザーポートフォリオ」 は、世界を理解し、現在のポートフォリオを維持しようとするブリッジウォーターの努力から生まれたもので、どのような形の成長とインフレが起こるか短期的には予測できないとしても、20年後にはそこそこ、うまくいくだろう。

 

長期的な投資を行う場合に確信できることは、 (1) 資産を保有することで現金を上回るリターンが得られること、および (2) 資産のボラティリティが、現在の予測(これらの期待がどのように変化するか)と比較して経済状況がどのように展開するかによって大きく左右されることです。それ以外(資産クラスのリターン、相関、あるいは正確なボラティリティ)は未来を予測しようとする試みである。つまり、ナプキンにすべての天気をスケッチすることができます。それは、それぞれが同じリスクを持つ4つの異なるポートフォリオを保有するという単純なものであり、それぞれが特定の環境でうまく機能する。すなわち、 (1) インフレが上昇するとき、 (2) インフレが低下するとき、 (3) 成長が上昇するとき、 (4) 成長が期待に比例して低下するときである。」を説明しています。

 

「全天候物語」によると「ベータは数が限られており(つまり、実行可能な資産クラスがあまり存在しない)、一般的に相互に相対的に相関関係にあり、超過リスクに比べて超過リターンは比較的低く、シャープ比は一般的に0.2から0.3の範囲にある。しかし、ベータは信頼性が高く、長期的にはキャッシュを上回るパフォーマンスが期待できる。」

投資家は、あらかじめパッケージ化された形で単一の資産クラスを見る必要はありません。つまり、債券のような単一の資産クラスをレバレッジすることは、株式と同様のボラティリティとともに高いリターンをもたらす可能性がある。多くの資産クラスにはすでに借り入れにより、レバレッジが組み込まれており、資産をレバレッジまたはレバレッジ解消することによってリスク・レベルに適応することは、善でも悪でもありません。(簡単な例を挙げれば、多くの企業が負債を抱えているため、すでにレバレッジのかかった株式を見ることができる。) 「低リスク/低リターン資産は、高リスク/高リターン資産に転換することができる。換算:リスク単位当たりのリターンで見ると、すべての資産はほぼ同じである。債券投資は、株式のようなリスクにリスク調整されていれば、投資家が分散投資のためにリターンを犠牲にする必要はなかった。これは理にかなっている。投資家は基本的に、自分が負うリスクに応じて報酬を受け取るべきである。リスクが大きければ大きいほど、報酬も大きくなる。」同じようなボラティリティを持つ資産をポートフォリオに組み入れると、ボラティリティの低い資産(例:債券)に多く、ボラティリティの高い資産(例:株)には少なく、合計額が配分されます。

 

(用語説明)ベータとは:一般に個別証券(あるいはポートフォリオ)の収益が証券市場全体の動きに対してどの程度敏感に反応して変動するかを示す数値のことを指します。例えばトヨタ株は日経平均とどのくらい同じ値動きするか、というのを0.8ベータと表示した場合、日経平均が100動いたら、トヨタは80動くと考えられます。全天候物語でのベータの使い方は、株・債券・リートなど各資産の想定される市場の値動きの数のことを指しており、異なる値動きが想定される資産の数だけ存在すると思われます。

 

 

現在、多くの企業がリスク・パリティ戦略を提供しており、Salient Partnersからリスク・パリティ・インデックスを追跡することができます。AQR、パトナム、インベスコなどの企業からは、リスク・パリティのミューチュアルファンドがいくつか作っている。この理論は広く受け入れられ、投資業界の大企業に採用されていますが、重要な問題は、「この戦略は単に長期的な金利低下の波に乗ったのだろうか。」ということです。以下では、リスク・パリティの2つのバリエーションを検討する。一つは、2012年にニューヨークでの講演で提案したリスク・パリティ・ポートフォリオであり、広いリスク・パリティ付きの投資スタイルを反映している(図25)。

 

◆リスク・パリティのポートフォリオ

 

リスク・パリティ・ポートフォリオ 割合
米大型株 8%
米小型株
世界株(徐米国) 8%
新興国
社債 35%
短期債
米国10年債 35%
米国30年債
世界10年債(除く米国)
物価連動債
商品 5%
リート 5%
5%

 

 

なぜ実際のリスク・パリティの配分を推測しようとするのか、というのは、われわれが直接情報源に行き、ダリオ氏にそれを構築してもらうことができるからだ。二番目の配分は、最近のトニーロビンスの著書マスターザマネーゲームでレイ・ダリオ自身が提案した「オール・シーズンズ」ポートフォリオである。(マスターザマネーゲームはインタビュー本であまりお勧めしないですが…)

 

◆オール・シーズンズ・ポートフォリオ

オール・シーズンズ・ポートフォリオ 割合
米大型株 18%
米小型株 3%
世界株(徐米国) 6%
新興国 3%
社債
短期債
米国10年債 15%
米国30年債 40%
世界10年債(除く米国)
物価連動債
商品 8%
リート 8%

 

 

 

では、この2つのポートフォリオはどのように機能したのでしょうか。実はほとんど同じように動きます。これは配分の性質が基本的に似ていることから驚くことではありません。

◆各ポートフォリオと資産のリターン (1973~2013)

 

リスクパリティ・オールシーズンズポートフォリオ
リスクパリティ・オールシーズンズポートフォリオ

一般的に、リスク・パリティの背後にある理論は非常に理にかなっていますが、一つ注意しなければならないことがあります。現在のリスク・パリティのポートフォリオに対する最大の課題は、我々が債券の30年強気相場の終わりに近づいている可能性があるということです。今後のポートフォリオの作成においては債券についての扱いを改めて検討する必要があります。

米国10年債利回り
米国10年債利回り

補足するとBridgewaterはレバレッジ(それは本質的に、より多くの投資をするためにお金を借りて、利益と損失の両方を拡大する)を使っているので、実際のAll Weatherファンドのリターンは上記の配分よりも良いです。

 

名目リターン
1973-2013
短期債 米国10年債 米大型株 リスク・パリティ オールシーズンズ
リターン 5.27% 7.74% 10.21% 9.21% 9.50%
リスク 0.97% 8.43% 15.57% 6.48% 8.24%
シャープレシオ 0.00 0.29 0.32 0.61 0.51
最大下落率 0.00% -15.79% -50.95% -14.41% -14.59%
実質リターン
1973-2013
短期債 米国10年債 米大型株 リスクパリティ オールシーズンズ
リターン 0.99% 3.34% 5.71% 4.76% 5.04%
リスク 1.24% 8.73% 15.57% 6.78% 8.56%
シャープレシオ 0.00 0.37 0.30 0.56 0.47
最大下落率 -12.54% -44.75% -54.12% -24.77% -28.77%
実質リターン
1973-1981
短期債 米国10年債 米大型株 リスクパリティ オールシーズンズ
リターン -0.71% -5.08% -3.92% -2.20% -2.83%
実質リターン
1982-2013
短期債 米国10年債 米大型株 リスクパリティ オールシーズンズ
リターン 1.48% 5.85% 8.61% 6.82% 7.38%
実質リターン
1973-2013
短期債 米国10年債 米大型株 リスクパリティ オールシーズンズ
1970s -1.55% -4.23% -5.26% -0.74% -1.39%
1980s 0.00% 0.00% 0.00% 8.50% 8.54%
1990s 1.95% 4.87% 14.71% 5.27% 6.61%
2000s 0.19 3.92 -3.38 4.4 4.19
2010s -1.82% 2.17% 13.73% 4.85% 6.02%
お疲れ様です。
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