金上場投資信託(ETF)の残高は2019年に過去最高を記録し、国際調査機関が8日発表した19年の金ETF残高の増加額は388億ドルで、前年比37%増となった。米国の利下げや米中の摩擦が、安全資産とされる金への資金配分に拍車をかけた。米国とイランの関係が悪化しているため、20年も資金の流入が続くと予想されています。
同報告は、国際金研究機関のワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)がまとめた。19年末の金ETF残高は1410億ドルと、2月13日以来の高水準となり、リーマン・ショックや欧州債務危機によって金価格が急騰した2009年と12年を上回る年間増加額となった。
近年は株が上昇する局面では金価格が下がることが多かったが、昨年から今年にかけては、株高と金高が併存している点が特徴的だ。株式市場の危うい上昇とも見て取れる。
金ETFの保有金も18年末より400トン増加し、2881トンと3年ぶりに増加した。金価格の上昇も相場を押し上げた。
米中の貿易摩擦が激化した6月と、10年半ぶりに米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げに踏み切った7-10月には大幅なリターンとなった。多くの先進国債の金利がマイナス圏に落ち込む中、金利のつかない金が資金を集めている。
英国の欧州連合(欧州連合)からの離脱をめぐる混乱も、投資家を刺激したようだ。英国上場株式の投資残高の伸びは、全体の伸びを14.5%上回った。ポンドの下落と同国の撤退による景気減速のリスクが指摘された。
金ETF(金属ベース金属ベース)の残高は年初から増加傾向にある。米国とイランの対立が激化する中、緊急時に金を購入する人が増えている。米調査会社理フィニティブによると、19年末以降、主要株式の残高は100トン近く増加した。