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歴史に学ぶ資産運用

究極の資産運用③世界の長期的な運用成績は?

世界の長期的な運用成績は?

今回は今まで見てきた各資産ごとの運用成績を改めて、各国別に確認してみましょう。

データは1900年から2014年までのデータで見ていきます。

 

各資産クラスの実質リターン

◆各資産クラスの実質リターン、1900~2014

インフレ率 短期金利 債券
オーストラリア 3.8% 0.7% 1.7% 7.3%
ベルギー 5.2% -0.3% 0.4% 2.7%
カナダ 3.0% 1.5% 2.2% 5.8%
デンマーク 3.8% 2.1% 3.3% 5.3%
フランス 7.0% -2.8% 0.2% 3.2%
ドイツ 例外値 -2.4% -1.4% 3.2%
アイルランド 4.2% 0.7% 1.6% 4.2%
イタリア 8.2% -3.5% -1.2% 1.9%
日本 6.8% -1.9% -0.9% 4.1%
オランダ 2.9% 0.6% 1.7% 5.0%
南アフリカ 4.9% 1.0% 1.9% 7.4%
スペイン 5.7% 0.3% 1.8% 3.7%
スウェーデン 3.5% 1.9% 2.8% 5.8%
スイス 2.2% 0.8% 2.3% 4.5%
イギリス 3.9% 0.9% 1.6% 5.3%
アメリカ 2.9% 0.9% 2.0% 6.5%

上記データをまとめると下記のようになります。

最大 8.2% 2.1% 3.3% 7.4%
中央値 3.9% 0.7% 1.7% 4.8%
平均 4.5% 0.0% 1.3% 4.7%
最小 2.2% -3.5% -1.4% 1.9%


上のデータを見れば投資先を簡単に決定できると思う人もいるのではないでしょうか。株式は債券や短期金利のリターンを上回っていますが、株式にはリスクがないわけではありません。

政府が資本市場を閉鎖したため、少なくともロシアと中国の2カ国の株式市場が壊滅状態になりました。ロシアや中国への投資に人々が今でも慎重なのも無理はありません。

もう1つのリスクは、株式が債券のような他の資産クラスよりも長い間、低いパフォーマンスを示す期間があることです。

データを見て、株式市場の長期のパフォーマンスの低下を待つことができると考えるのは簡単です―少なくともそれが自分に起こるまでの間はという限定が付きますが。

 

クオンツ運用に詳しく、多くの著作を書いているロバート・D. アーノットは、株式対債券の30年間のアンダーパフォームについて以下のように述べています。「30年間の株式市場の超過リターンがほぼゼロであることは、多くの長期投資家にとって大きな失望だっただろう。しかし、長期にわたる停滞はこれが初めてではない。1803年から1857年にかけて、米国の株式市場は低迷した。株式投資家は債券投資家の最終的な資産の3分の1を受け取ることになった。株価は1871年になってようやく横ばいに転じたが、68年にもわたって株価の低迷が続いたことを知って、多くの人はショックを受けるだろう。1857年から1929年までの72年間の強気相場の後、再び停滞期が続いた。1929年から1949年にかけて、株式はイボットソンの時間サンプルにおいて、唯一の長期的に債券よりアンダーパフォームした期間となった。おそらく、近年の投資家を長期的な株式パフォーマンスに関する誤った安心感に陥れたのは、大恐慌と第二次世界大戦という異常な歴史の時期と、1950年から1999年にかけての目覚ましいリターンであった。」

 

68年間にわたる株価の低迷は人生の間ずっと株式市場が低迷していた人もいるということを示しています。長期投資とは人生の一生以上を意味することはあるのでしょうか?そんなことはあり得ません。長期投資とは人が人生を通じて投資で増やし、なおかつ使う時間を残していることが想定されます。投資をするときにおいて株式市場が、人生と匹敵するくらいの間、停滞した期間があることを理解している投資家と、理解していない投資家では行動は大きく異なるといえるのではないでしょうか?

 

1900年以降のデータでは他の国でも株価の大幅な下落が見られ、アメリカでさえ、1929年から1930年代にかけての株式市場のピーク時に比べて、投資家は約80%下落を経験したのです。仮に75%の下落した場合、投資家が元に戻るためだけに300%の上昇を実現することを要求されます。これは30年間4.8%の複利に相当します。より小さな50%のドローダウンでも、元に戻るにはそのリターンで15年かかってしまいます。

多くの人々が債券投資を選択する最も大きな理由はドローダウンが限定的であることだとおもわれますが、債券も実際には下落リスクは高いといえます。株価の下落幅が大きい反面、債券の価値はインフレで目減りするのです。米国と英国では、いずれも実質債券価格の下落率が60%を超えています。それは非常に厳しく一部の例外と思うかもしれませんが、日本でも80%以上マイナスになったことがあります。そのほかドイツ、イタリア、フランスなど80%以上のハイパーインフレに直面した国々の中には、全損を計上した国もあり、Business Insiderは過去100年間で最悪の事例をいくつか取り上げたスライドショーを掲載しています。

 

下記の図は、株式と債券の両方が長年にわたって複数の大きなドローダウンを経験してきたことを示しています。最初のグラフでは月次データ(英国では月単位ではありません。)を使用していますが、月次データを使用するとドローダウンが増加するだけです。

米国資産の実際の下落率

◆図11:米国の各資産の実際の下落率, 1900-2014

アメリカでもイギリスでも同じことが言えますが、債券投資家は最大50年近くも元通りになるまでさらに待たなければなりませんでした。

以下は、年間の実質リターンとドローダウンを見た図です。

図11:米国の各資産の実際の下落率, 1900-2014 -
図11:米国の各資産の実際の下落率, 1900-2014 –
米国株と米国短期財務証券のドローダウン
米国株と米国短期財務証券のドローダウン

イギリス資産の実際の下落率

◆図12:英国の各資産の実際の下落率, 1900-2014

図12:英国の各資産の実際の下落率, 1900-2014 -
図12:英国の各資産の実際の下落率, 1900-2014 –

上記の3つの図を見ると、株式だけでなく債券でら大きなマイナスをこうむっていたことがわかります。さらに同じタイミングでマイナスになっていることすらあるのです。これは1990年以降の株式だけを見て、運用は安全だと思っている人達にとっては非常に重要な歴史といえるでしょう。

 

次の記事について

これは、1つの証券、国、または資産クラスに集中投資する場合の問題の1つです。正常な市場リターンの中には実は極端な期間があります。1920年後半から1930年前半の米国株、1910年から1940年のドイツの株・債券、1917年のロシア株、1949年の中国株、1950年代半ばの米国の不動産、1990年の日本株、1990年後半の新興市場と商品、そして2008年のほとんどすべての投資対象など、特定の時期にさまざまな資産に投資された個人は、これらの資産を保有することが明らかに賢明ではなかったといえてしまいます。ほとんどの個人は、1つのリスク資産クラスからの大きなドローダウンから回復するのに十分な時間を持っていません。では、投資家は何をすべきなのでしょうか。次のステップは、投資における唯一のフリーランチと呼ばれる分散投資を紹介していきます。

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資産運用は「手間なし」「簡単」とはいきません。インデックス投資していればよいなどという、近年素人ブロガーを中心にアンチアクティブ投信の流れが続いていましたが、今後アンチインデックス投信の波も来るでしょう。これはロングオンリーの従来のインデックス運用やアクティブ運用は近年発達してきている「リスク管理」という概念が抜けている、旧世代的な考えを中心としているためです。資産運用の本質は「アクティブかパッシブか」というような小さな戦略の選択ではなく、株、債券リート、ヘッジファンドといった「資産配分」の選択とロングショート、レバレッジを含めた「大きな戦略」の選択です。このサイトでは儲かるために必要な情報を厳選してお届けします。ほかのサイトでは説明していないような株、債券、投資信託、ポートフォリオ、ヘッジファンドまでわかりやすく解説します。短期売買のようなばくちな運用手法は推奨しません。長期的に資産形成するための極意を教えます。またロボアドバイザーなどのようにマーケティング重視の中身のない運用業界の裏側も紹介していきます。

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